私が度々話すエピソードトークで、オタクに優しいギャルの話がある。よく話す割に説明が一向にうまくならないので、一旦文章にしておこうと思う。
中学の頃、私は高校受験のため塾に電車で30分ほどかけて通っていた。塾は年に何回かのクラス替え直後の時期だった。塾はビルの上層階にあり、エレベーターで行く。その時、少し髪の明るい見知らぬギャルっぽい子と乗り合わせたのだった。
教室のドアには休みの張り紙がしてあり、休日であることを知らずに来てしまったことに気づく。私は昔から確認漏れによるこの手のミスが多く、無駄足をしてしまいがっかりしていたのだが、その時エレベーターの子が話しかけてきたのだった。
「間違っちゃったね」
知らない自分に気軽に話しかけてきたその子はまさに陽キャであった。
駅に引き返す道すがら「一緒のクラスなんだね」みたいな話をしたと思う。話の内容をよく覚えていないのだけど、その子に学校の日常のことでも聞かれて、あろうことか
「自分は暗いので…」
と答えてしまった。彼女はこう言った。
「そんなことないよ!」
そんなことないよも何も、そんな受け答えをする奴は間違いなく陰キャなのだが、その子はそんな陰キャを励ましてくれたのだった。なぜか友達と二人で写っているプリクラをもらい、またクラスで話そうね、と駅で別れた。
残念なことに、結局自分は休日だけではなくてクラスまで勘違いしていたことが判明し、その子とは二度と会うことはなかった。
と言うわけで私はオタクに優しいギャルをこの目で見たのだった。親しい人間がほとんどいない暗黒の中学生活を送っていた自分にとって、そのプリクラは特別なものに思え、心の支えになっていた。
一生その子のことを好きだと思う。
で、その辺の話を悪い仲間にすると、やはり「その子が寝取られてたら興奮するの?」と聞かれてしまうのだった。汚したくないに決まってるだろその思い出は…!でも、実際その子がガチムチ旦那に肩抱かれてたり子供作ってたりしたら興奮しそうだし惨めにマゾ射精だろうなぁ。どうしてこうなっちゃったんだろう…。