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代わりに誰かが

知らなかったのだが、以前より女性向けエロ同人では「執着攻め」が人気らしい。がるまにの売り上げ上位に執着攻めがかなりランクインしている。

無理やり系も以前から女性に人気で、その延長線上にあるのだろう。イケメンに死ぬほど愛されて粘着され、一方的にめちゃめちゃにされてしまうとのこと。

なぜイケメンに襲い掛かられる必要があるのか。「こちらに選択の余地がない」ことが重要なのではないか。何か判断を下さなくても相手が一線を超えてくれ、なおかつ望むものを与えてくれる。これは癒しなのではないか。

逆にイケメンを自らナンパしホテルに連れ込むヒロインだったらどうか。そういうのが好きな人もいるかもしれないが、そういうマッチョな人は別にファンタジーを必要としないのではないだろうか。内気な人間はそういうパワータイプの漫画を読んでも疲れるだけだろう。

せっかくのファンタジーなのに、能動的に動くのは疲れる。そういうのは現実で十分だ。

この構図は寝取られ・寝取らせにも感じる。彼氏(主人公)側は何も行動しないことが多いが、ヒロインは自ら「一線を超えてくれる」「望むものを見せてくれる」立場である。ヒロインと間男が欲望の実現を代行してくれる。

仮説だが、「寝取られ」「無理やり」は実は裏表なのではないか。女性にとっての寝取られは、ヒロインが倫理を乗り越えないといけないので感情移入の障害になりうる。無理やりに関しては男側にとっては倫理をノリノリで乗り越える男を見続けることになる。「今日ちょっと抜くか〜」という軽い気分で読むコンテンツとしては少し重いんじゃないだろうか。

受け身のコンテンツというとなんか悪口っぽくなってしまうのだが、むしろ自分はずっと受け身のコンテンツを愛好してきたのだった。平和でいいと思っている。

むしろ、次世代の受け身ジャンルを考えてみるべきだろう。ストーリーが始まったら、主人公が否応なしに攻略され絞り尽くされるような、そんな舞台装置があれば良い。サキュバスかな・・・。ちょっと優秀すぎる設定だよなあ。これ超えるって結構しんどいですね。